10月に読んだ本
禁猟区 乃南アサ 著 10月4日読了
警察官だからといってみんながみんな品行方正、清貧な人とは限らない。また、自分ではそんなつもりではなくても、誘惑に負け、いつしか泥沼に落ちていく。そしてそれを調査し取り締まる監察官。短編だけれどどれも内容がありえそうで読んでいて考えさせられるものだった。
チーム 堂場瞬一 著 10月24日読了
この本を読む前に、「ヒート」を先に読んでしまい、こちらを先に読んだほうが良かったと思いました。 大学として箱根駅伝に出場し、去年自分がブレーキとなってしまって選考会に出場したが、一歩及ばず、学連選抜に入ることになった浦。冷徹なまでに自分しか信じない山城。浦とは同郷の飄々として選抜入りしながらも走ることにこだわらない門脇。そんな大学も違う選手たちが走るうちに1つのチームとして気持ちがつながっていく。読みながらも走る姿が目に浮かぶような描写で本当に彼らを応援したくなりました。
刑事の子 宮部みゆき著 10月27日読了
読んだことがある?と思ったら、「東京下町殺人暮色」の改題でした。刑事の息子・順が近所に住む気難しい画家の絡んだ殺人事件に遭遇し、事件を子供なりの視点で考えていく。また、下町ならでの近所づきあいなども描かれている。家政婦として順の家でやってくるハルさんというおばあさんと順とのつながりに心安らぐものがある。
未成年だから殺人を犯しても大きな罪にならない、そういう少年たちが登場し、背筋が寒くなる思いが…