知覧の武家屋敷群へ行きました。
江戸時代の知覧は当初、島津家の分家である佐多氏が地頭として治めていました。佐多氏には優れた当主が多く出て、薩摩藩の中でも重要な役目を果たしました。その功績によって佐多氏十久達の時代に、知覧の私領地化と島津姓の使用が許されました。
地区内は石垣で屋敷が区切られ、沖縄によく見られる石敢當(魔よけの石碑)や屋敷の入り口には屋敷内が見えないように屏風岩(沖縄のヒンプン)があります。知覧の港が江戸時代に琉球貿易の拠点であったことから武家屋敷も琉球の影響を多く受けているようです。
(以上知覧武家屋敷のパンフレットより)
現在公開されている武家屋敷は七か所です。
近くのお店などで入園料を支払うとパンフレットがもらえて中に入ります。
でも特に武家屋敷を見るのも各屋敷でパンフレットを確認することもないので、タダでも見られそうって思いました。
私が見た限り、皆さんパンフレットを持っていましたけれど・・・
庭園の説明文はすべてパンフレットを抜粋しました。
まずは西郷恵一郎庭園
庭の南東部の隅に枯滝の石組を設けて高い峯とし、この峯から低く高く刈り込まれたイヌマキは遠くの連山を表現している。
平山克己庭園
母ヶ岳の優雅な姿を取り入れた借景園です。北側の隅には石組みを設けて主峯となし、イヌマキの生け垣は母ヶ岳の分脈をかたどっている。
平山亮一庭園
石組みの一つもない大刈り込み一式の庭園。イヌマキによる延々たる遠山は高い峯を見せ、前面にはサツキの大刈り込みが築山のようで、母ヶ岳を庭園に取り入れて極端に簡素化された借景園として有名。
武家屋敷群の通り。
きれいに刈りこまれた生け垣でプライバシーも保たれています。
石敢當
佐多美舟庭園
寛延四年(1751)に造られたものと言われ、知覧庭園の中では最も豪華で広い庭園である。
枯滝を造り築山の上部に石灯、下部の平地には各所に巨岩による石組みを設けている。
佐多民子庭園
巨岩奇岩を組み合わせて深山幽谷の景を映し出し、小舟に乗って石橋の下を潜っていくと、仙人が岩の上から手招きしているようだ。
佐多直忠庭園
門をくぐると目隠しに突き当たる、屏風岩とも呼び、防衛を兼ねた造りで江戸時代中期の武家屋敷の風格を備えている。1741~1744年の作庭で借景の母ヶ岳を望む庭の一隅に石で組まれた築山を設け、その中心部は3.5mの立石と枯滝の石組が絶妙な趣を呈し、一幅の水墨画をそのままに現した名園。
屏風岩
森重堅庭園
森家は亀甲城の西麓にあり、領主に重臣として仕えた家柄。住居や土蔵は寛保初年(1741)に建てられたものである。曲線に富んだ池には、奇岩怪石を用いて近景の山や半島を表し、対岸には洞窟を表現した穴石を用いて水の流動を象徴している
庭園散策は以上です。
ほかにも高城家住宅があり、知覧特有の家を見られました。(ここは誰でも自由に見られます)
そして知覧と言えば、あと一か所、知覧特攻平和会館ここにも立ち寄らないわけには行きません。
この知覧特攻平和会館は、第二次世界大戦末期の沖縄戦において特攻という人類史上類のない作戦で、爆装した飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃をした陸軍特別攻撃隊員の遺品や関係資料を展示しています。
私たちは、特攻隊員や各地の戦場で戦死された多くの特攻隊員のご遺徳を静かに回顧しながら、再び戦闘機に爆弾を装着し敵の艦船に体当たりをするという命の尊さ・尊厳を無視した戦法は絶対とってはならない、また、このような悲劇を生み出す戦争も起こしてはならないという情念で、貴重な遺品や資料をご遺族の方々のご理解ご協力と、関係者の方々のご尽力によって展示しています。
特攻隊員達が二度と帰ることのない「必死」の出撃に臨んで念じたことは、再びこの国に平和と繁栄が甦ることであったろうと思います。
この地が出撃基地であったことから、特攻戦死された隊員の当時の真の姿、遺品、記録を後世に残し、恒久の平和を祈念することが基地住民の責務であろうと信じ、ここに知覧特攻平和会館を建設した次第であります。
(以上知覧特攻平和会館HPより)
この中の資料は撮影禁止ですが、零戦は撮影OKでした。
特攻隊員たちの遺書など数々の資料を読んで本当に涙が出ました。
20才そこそこの青年たちが国のため、家族のためと命を散らしていく。
その覚悟と、家族、恋人にと手紙を書き置いて出撃していく。
こんなことはもうあってはならない。そう思いました。
でも今はウクライナで悲劇が起こっている。早くこの無益な戦いが終わってほしいと心から思いました。
この記事へのコメント
信徳
知覧では素晴らしい庭園の数々と特攻隊の記念館を見られたんですね。いずれも有名な場所で印象深く拝観された事でしょう。今のロシア、ウクライナの戦争、意味が無い戦争にもかかわらず多くの犠牲者またいろんな国に迷惑が掛かっています。プーチンはどの道もう生きられませんので早く何とかして貰いたいものです。
デミ
ここはオイラも知りません
かるさんの説明で少しわかってきました
特攻戦士に・・・祈り・・・
豪華な庭園と特攻・・・妙な組み合わせでしゅ(涙
イッシー
そう、どうしても悲しい歴史を見ることになるわけで・・・
武家屋敷素敵ですね。
eko
知覧の武家屋敷群、ここも行きました。私が行った時(多分7~8年前)は無料だった気がします。石垣と綺麗に剪定された生垣と見事なお庭は素晴らしいですね。
知覧特攻平和会館、ここは広島の平和記念資料館と並び衝撃を受けた場所です。特攻隊員が出撃前夜に寝たという薄暗い小さな建物が残されていて、案内の人に入って見てくださいと言われましたが、とても入る勇気は出ませんでした。国のために若い隊員たちの命が散った戦争、二度と起こしてはいけません。
ロシアの無意味なウクライナ侵攻も犠牲になるのは子供と一般市民、早く終わってほしいと願っています。
ミズバショウ